結論:Steam・GOG・Epic 3つとも登録しとけ。
ゲーム電子配信サービスの種類
自社製品のみを配信しているサービス
Origin (EA), Uplay (Ubisoft), Bethesda.net (ZeniMax/Bethesda), Battle.net (Activision Blizzard) など多くのデベロッパが自社の配信プラットフォームを持っています。これらのプラットフォームでは特に面白い発見もなく,大きなセールも少ないので,積極的に導入する理由はあまりないかと思います。プレイしたいタイトルの関係で必須となる場合のみ導入するとよいかと思います。
サードパーティ製品も配信しているサービス
Steam, GOG, Epic Games Store, Itch.io, Game Jolt などがあります。以下でそれぞれの特徴を簡単に説明します。
※他に Humble のように基本はキーの販売ながら一部 DRM フリー版を自社配信しているところもありますが,今回は割愛します。
Steam
- クライアントソフト:あり (Windows, Linux, macOS) 強制
- DRM:あり
- 対応 OS:Windows, Linux, macOS
老舗ゲームデベロッパでもある Valve によって運営されています。販売しているソフトの質・量ともに他の追随を許さず,Linux や macOS に対応したクライアントもあります。圧倒的なユーザ数によってレビューや Wiki といったコミュニティ機能が充実しているのも強みです。
まあ,私などがあれこれ説明する必要もありません。とりあえず登録しましょう。
GOG
- クライアントソフト:あり (Windows) 任意(ウェブサイトからのダウンロードも可)
- DRM:なし
- 対応 OS:Windows,Linux,macOS
Witcher シリーズを擁し Cyberpunk 2077 の発売も控える CD Projekt が運営しています。特長はなんといっても DRM をプラットフォーム全体で完全廃止していることで,どのゲームを買っても必ず DRM フリーであるため,いつか GOG がなくなっても,人類が滅びても,対応 OS が動くコンピュータさえあれば遊ぶことができます。また,自社タイトルは他のプラットフォームにはない特典コンテンツが付属していることも多いので,CDPR ファンは要チェックです。
クライアントソフト GOG Galaxy は現在のところ Windows のみの対応ですが収録ソフトはそれに限らず(もっとも Steam に Linux, macOS 版があっても GOG にはないこともあります),クライアントの使用は任意であるため,OS を問わず利用することができます。
難点はクライアント・サイトが日本語に未対応であることくらいでしょうか(ゲーム自体は Steam 同様に日本語に対応しているものもあれば非対応のものもあります)。
Epic Games Store
- クライアントソフト:あり (Windows) 強制
- DRM:あり
- 対応 OS:Windows
人気オンラインゲーム Fortnite の開発元である Epic Games によって運営されています。Epic Games Store はとにかく「札束で殴る」点に特色があります。Epic Games は Fortnite の売上に加え中国大手 Tencent からの大型出資も受けており,豊富な資金力を使って Steam の牙城を切り崩しにかかっています。Steam 配信ソフトを引き抜いて独占配信にするなど,そのなりふり構わぬ戦略には批判も根強いですが,既に無視できないシェアを得ています。
そして特筆すべきは,毎週1本(あるいはそれより多く)のゲームが無料配布されることです。Steam などで実施されるフリープレイキャンペーンとは異なり,通常購入ソフトと同様の期間制限のない永続的なライセンスです。過去に配信されたソフトには Celeste,Slime Rancher, This War of Mine,Kingdom: New Lands など良作も多々あります。
Itch.io
- クライアントソフト:あり (Windows, Linux, macOS) 任意(ウェブサイトからのダウンロードも可)
- DRM:開発者による(ほぼなし)
- 対応 OS:Windows,Linux,macOS
小規模な企業 (Itch Corp.) により運営されています。
完全に個人開発者のための場で,なんというか,とても雑然としています。玉石混交……というよりも石ばっかりで検索機能もマトモに機能していません。最近クライアントソフトが登場しましたが,それまではこれもありませんでした。
一方で,個人開発者がファンの意見や寄付を募りながら少しずつ開発を進めていく場としてとても人気があります。Celeste や VA-11 Hall-A といった人気作も Itch.io 出身であり,Celeste のように Itch.io でのみ DRM フリー版を購入できるタイトルもあります。Momodora の初期作品など,Steam では配信されていないタイトルもあります。
GOG になければ Itch.io,ということで覚えておきましょう。
Game Jolt
小規模な企業 (Lucent Web Creative, LLC) により運営されています。
これも完全に個人開発者のみです。サイトの使い勝手は Itch.io よりかなりマシですが,開発者の取り込みには成功していないようです。たまに覗いてみるといいかもしれません。無料ゲームになかなかよさそうなものもあります。
結論
……は最初にも書きましたが,Steam, GOG, Epic の3大プラットフォームはそれぞれ全く異なる強みを持ちますので,3つとも登録・インストールして適宜使い分けましょう。また,個人開発のインディーゲームでは,Itch.io も注目に値します。