国内外のインディゲームへ与えた影響という観点から、おすすめの国産フリーゲーム(無料ゲーム)をピックアップしてみます。
洞窟物語 (2004)
言わずと知れた名作です。公式非公式問わずあちこちに移植されています。
洞窟物語の素晴らしさは、ストーリー、キャラクターデザイン、音楽のどれもが王道でありながらユニークで、細部まで詰められた快適な操作性によって、すべてが高い水準でまとめ上げられているところにあります。
強い影響を受けた作品には Momodora シリーズがあり、Downwell などゲームシステムの多く違う作品でも影響がみられるものがあります。16bit ゲームのイメージとして(誤って)参照されていることまであり、遺産は計り知れません。
ゆめにっき (2007)
とても実験的な作品です。ホラーに分類されることもありますが、個人的にはしっくりきません。敢えて言うなら、「幻覚シミュレーション」あたり?
似た性格の作品としてはプレイステーションの「LSD」(1998)がありますが、より登場人物の意思、物語を感じる内容になっています。
これも衝撃をもって受け止められ、国内外に大きな影響を与えました。
Elona (2007)
変愚蛮怒の系統に属するローグライクで、さまざまな小ネタがこれでもかと散りばめられているところに特徴があります。ローグライクとしては珍しく綺麗なドット絵のグラフィックを備えていることも注目です。
ローグライクというジャンル自体が停滞して久しいですが、今年に入って突如として中国でモバイル版が商業ゲームとして公開されるなど、ここにきて新たな展開を見せています。
ib (2012)
ツクール製のホラーゲームです。「魔女の森」と並んで知名度の高い作品で、後続の作品への影響がしばしば指摘されます。
実はホラーが苦手でちゃんとプレイしていないので語れません。面目ない。
ざくざくアクターズ (2014)
これは過去の名作というよりも現在の代表作です。基本はオーソドックなファンタジー系 RPG ですが、フリゲではキャラを極力少なくすることが多いのに対し、逆にどんどん増やしてみたというところが特徴的です。それで高い完成度とまとまりを保ち続けるのは、作者の方の才能と努力の賜物というほかありません。
フリゲ文化が停滞する中にあって現在も精力的にアップデートが続けられており、シーンを牽引し続けています。
番外編 SSP (2001)
SSP はデスクトップマスコットの一種である「伺か」の Windows 向け実装(ベースウェア)であり、他のベースウェアが停滞・開発終了する中で生き残り続けているものです。今では SSP の実装が新たなデファクトスタンダードになりつつあります。ゲームではありませんが、ゴースト(ベースウェア上で実行される「人工無能」)の中にはゲームに近い高度なものもあります。
にしても、更新履歴を調べてびっくりしました。SSP の 1.0.0 が公開されたのはなんと2001年6月13日だそう! 超古代! そこから現在に至るまで活発な開発が続けられており、SSP 準拠のゴーストも更新され続けているのだから、なんともすごい話です。
というわけで、入れましょう! 伺か! 伺かはいいぞ!