Humble Bundle の登録・設定・買い方をやたらと詳しく解説する
Humble Bundle とは?
運営主体
Humble Bundle(ハンブルバンドル)は、米国 Humble Bundle, Inc. によって運営されているゲーム電子販売ショップです。Humble Bundle, Inc. は比較的歴史が浅く規模も小さい会社ですが、Ziff Davis 傘下の IGN に買収され、NASDAQ 上場の J2 Global グループに加わりました。Valve や Epic でさえ非上場であることを考えると、PC ゲームの電子販売という分野ではかなり大きな資本の系列にあると言えます。
なお Humble Bundle では、バンドル販売の(狭義の)Humble Bundle・サブスクリプションサービスの Humble Choice・単品ゲーム販売の Humble Store という3種類のサービスを提供しています。
種別
最大手正規販売店のひとつです。正規ルートで流通している新品のキーのみが取り扱われています。
Steam キーが中心ですが、Epic や Origin、自社ホスティングの DRM フリー版も取り扱っています。人気タイトルのセールでも数量限定が付かないことが多く、パブリッシャとのパイプの太さを感じます。
特徴
(すごく)お得なバンドル
バンドルを扱っているショップは他にもありますが、Humble Bundle は安定してお買い得感の高いバンドルを企画し続けています。システムが明快でわかりやすく、販売期間が長め(14〜20日程度)で数量制限がない場合が多いのもポイントです。Steam 最安で揃えても2000円程度のゲームがたったの1ドルで手に入ることもざらで、PC ゲーマー、特にインディーゲームファンには決して見逃せない存在です。
バンドルにはゲーム以外の PC ソフトや電子書籍などもあります。ソフトも普通に買えば5万円はするソフトが30ドルで手に入ったり、電子書籍は DRM フリーの EPUB だったりと、これまた魅力が大きいです。
大部分は日本でも有効化可能・国産タイトルにも強い
他のショップでは日本では有効化(アクティベーション)できないキーしかない場合でも、Humble Bundle では日本で使えるキーが販売されている場合が多いです。
通常時でも Steam の US・EU 定価と同程度の値段なので、日本だけ価格が高い「おま値」の回避にも非常に便利です。
慈善団体への寄附
Humble Bundle では売り上げの一部を慈善団体へ寄付しています。どの団体にどの程度寄付するかは購入者が選択できます。
Humble Bundle に登録するには
必要情報の入力
まずは、Humble Bundle のサイトにアクセスしましょう。
画面右上に「LOG IN」というボタンと「SIGN UP」というボタンが並んでいるかと思います。
このうちの「SIGN UP」が登録ボタンですので、「SIGN UP」を押してください。
すると、このような画面が表示されます。
どんなに英語アレルギーの方でもこの図だけ見ればわかると思いますが、「やたらと詳しく解説する」と言ったからには、もう少しねちっこく解説します。
1. 利用規約とプライバシーポリシーを読む
読んだものとして、次に進みます。
2. プロモメールの受信設定
......は、あとで細かく設定しますので、そのままで大丈夫です。
3. アカウント情報を入力する
Google / Facebook アカウントでもログイン可
Google か Facebook のアカウントでのログインに対応していますので、これを使うのが簡単です。各ボタンをクリックして Humble Bundle の Google / Facebook アカウントへのアクセスを許可すれば入力完了です。
別個アカウントを新規取得したい場合のみ次へ進んでください。
メールアドレスを入力する
これがログイン時の ID 代わりになります。
パスワードを入力する
8文字以上のパスワードを入力します。パスワードの使い回しは危険ですのでやめましょう。
パスワード管理ソフトの利用を強くお勧めします。パスワード管理には、Firefox Lockwise や Google パスワード マネージャー などブラウザ標準の機能を使うのが簡単です。
単に紙のノートに書いておくのでも、(ノートを絶対に家の外へ持ち出さず安全な場所で保管することは前提として)安直なパスワードを設定したり、パスワードを使いまわしたりするよりはマシです。
6. SIGN UP ボタンを押す
すべての情報が正しいことを確認して緑の「SIGN UP」ボタンを押せば、入力は完了です。
確認メールからアカウントを有効化
登録したメールアドレス宛に、「Humble Bundle email verification」というタイトルで上のようなメールが届くはずです。届かない場合はスパムフォルダを探しましょう。
Humble Bundle サイトから再送信(resend)することもできます。
登録完了
これで登録は完了です! さっそく設定を始めましょう。
Humble Bundle 登録後に設定しておくべき項目
設定画面を開く
登録・ログイン後は「SIGN UP」ボタンがなくなっているはずです。画面右上にあるアイコンをクリックすると個人メニューが開きますので、「SETTINGS」をクリックして設定画面を開きます。
または、以下のリンクからもアクセスできます。
支払情報の登録
支払い情報を登録すると、より手軽に支払いができるようになります。
ドル建ての支払いも、日本のクレジットカードで可能です。ただし、手数料が必要であり、その分が上乗せされた市場より若干割高なレートでの支払いとなります。
支払いには Paypal の使用をお勧めします。登録に少し手間がかかりますが、クレジットカードを直接登録するよりも安全で、無料で利用できます(ドル建て払いの場合は別途手数料が必要ですが、クレジットカード直接でも変わりません)。
Humble Bundle ではトラブルの心配はまずないと思いますが、Paypal の仲介で売り主への入金を差し止めてもらうことで、有利に交換・返品交渉をすることもできます。
Paypal はほぼ完全に日本語対応しているので、簡単に登録することができます。
プロモメールの設定
Humble Bundle では受信するプロモメールの種類を細かく設定できます。
参考までに、上から順に訳しておきます。
- メインページのバンドル、特別な Humble Store セールおよびその他の重要な更新
- Humble Choice
- Humble Book Bundles
- Humble Software Bundles
- Humble Mobile Bundles(スマートフォンアプリのバンドルのようですが、見たことがありません)
- Humble Store のセールおよびその他の Store イベント
- ウィッシュリストにある製品のセール通知
- 不完全な注文の確認(支払い直前でブラウザを閉じた場合などに「忘れてないかー?」という確認が来ます)
- 失効するクーポンの確認
- バンドル販売期限の確認
教えてほしいものにチェックを入れておきましょう。
Steam アカウントの関連付け
あの Steam Link とは関係ありません。Steam へのリンクです。
無料配布タイトルなど、キーの形で配布されないゲームを受け取ることができるようになります。
ボタンを押すと Steam に飛ぶので、画面の指示に従って Humble Bundle による Steam アカウントへのアクセスを許可してください。
2段階認証
必須ではありませんが、安全のために設定しておくことをおすすめします。
2段階認証を設定すると、新規(Cookie がない状態での)ログイン時に、パスワードに加えてスマートフォンに表示される6桁の数字を入力することが必要になります。
Google Authenticator(Google 認証システム)は Android および iOS に対応しています。なお、Google Authenticator 以外の OTP 対応アプリも利用することができます。
Humble Bundle の基礎知識
料金体系
支払う金額に応じてコンテンツがアンロックされる
Humble Bundle では、支払う金額に応じて追加のコンテンツがアンロックされる仕組みになっています。
たとえば、1ドルでAがアンロックされ、5ドルならAに加えてBもアンロックされ、10ドルならA+B+Cがアンロックされる......という要領です。
また Humble Bundle では「Pay what you want(好きなだけ払う)」モデルを掲げており、コンテンツアンロックの基準となる額にかかわらず好きな金額を支払うことができます。
支払額を競うリーダーボード(ランキング)機能では好きな名前を表示でき、注目バンドルでは謎の寄附バトルが発生していたりします。
こちらは全額が慈善団体に寄附される名物バンドル「Jingle Jam 2019」で、追加のコンテンツの上限は30ドルまでのバンドルですが、見ての通り、何十万円も寄附している男気の持ち主も多いです。Jeff Bezos は偽物だろうけど、Re-Logic(Terraria 開発元)は本物?
"Pay $XX (about $XX) or more to unlock!"
「XXドル“以上”支払ってアンロック!」
1ドルのセクションの場合は1ドル、20ドルのセクションの場合は20ドル支払えば手に入ります。明快ですね。
もちろん先述のとおり、より多くの額を支払ってリーダーボードの高みを目指しても構いません。
"Pay more than the average of $XX (about $XX) to also unlock!"
「 平均のXXドル“より多く”支払ってこれもアンロック! 」
ちょっとややこしいですが、こちらは or more ではなく more than となっており、"more than ~ $XX" には、XXドルは含まれません。
Humble Bundle の最小支払い単位は1セント=0.01ドルですので、たとえば "more than ~ $7.96" であれば、0.01ドル足した "$7.97 以上"の支払いで手に入ることになります。
平均値が基準になるため、その時点の注文状況によって多少上下しますが、大きく変わることはありません。したがって、だいたいXXドル程度に捉えておけば充分です。
その他の重要な情報
DRM (Steam, Epic...)
ゲームの DRM については、バンドル対象となるのはほぼ確実に Steam のものです。
OS はそれぞれのアイコンがあれば対応していることを意味します。
上の図は Prison Architect の表示です。左に Steam のロゴがあり、右に Windows, macOS, Linux のロゴがあります。したがって、このゲームは Steam 上のゲームであり、3 OS ともに対応していることがわかります。
リージョンロック(おま国)
Humble Bundle で扱われるキーの大部分は日本でも有効化できるものですが、たまに「おま国」もあります。ほぼコンソールから移植された国産タイトルです。
日本で有効化できないキーの場合は、バンドルのページでそのゲームのバナーがグレーアウトされ、自分の住んでいる国では有効化できない旨が事前に通知されます。
そして、「おま国」タイトルのキーは受け取ることができません(パブリッシャとの契約にもよるかもしれません)。
「おま国」タイトルの存在にかかわらず、バンドルの価格に変更はありません。
とはいえ、こうしたタイトルの場合は「おま値」も著しいことが多く、「おま国」でないタイトルだけでもお値打ち感があることでしょう。
対応言語・システム要件
販売ページの下の方に、上の図のような領域がありますので、「Read more...」を押して展開します。
"Redeem on Steam." の行にある "here" のリンクをクリックします。
すると、サポートページに飛びます。Cities in Motion 2 は英語とドイツ語に対応していることがわかります。「Languages:」に「Japanese」があれば日本語に対応しています。
Humble Bundle でバンドルを買うには
バンドル販売ページの見方
正直この図だけでよかった気がする
購入手続きの流れ
1. 支払い金額の入力
欲しいソフトが含まれるセクションの金額を払いましょう。今回は1ドルで買ってみます。
下の方に上の図のような領域があるので、「Custom Amount」をクリックします。
すると入力ボックスが出現するので、「1」と入力します。
下の Add to cart は「ご一緒にポテトもいかがですか?」みたいなやつですので、押しません。
2. 寄附の調整
これは必須ではありません。
まず、「Choose where your money goes」という文をクリックします。
スライダが現れますので、分配を調整します。上から
- 発売元
- 慈善団体
- Humble Bundle
です。なお、寄附する団体を変更することもできます。
団体を変更するには、「SUPPORT CHARITY」のセクションにて、団体バナーの右下の鉛筆マークを押します。
3. 支払い
それでは支払いに進みましょう。これらのボタンが選べる決済手段です。先述のとおり、Paypal をお勧めします。
ボタンを押すと Paypal のサイトに遷移するので、ログイン情報を入力して Paypal にログインします。
日本円での請求額を含む確認画面が表示されるので、入力ミスがないか確認のうえ、「同意して支払う」ボタンをクリックします。
Humble Bundle のランディングページに遷移しますので、「GET YOUR GAMES」ボタンを押すことでキーの有効化に進むことができます。
Humble Bundle で購入したバンドルコンテンツを利用するには
Games Bundle の場合
キーの確認
Humble Bundle のランディングページを閉じてしまった場合でも、購入した内容を確認することができます。
アカウントメニューから「PURCHASES」をクリックします。
または、以下のリンクからも開けます。
過去に購入した製品が一覧表示されるので、目的のものをクリックしてください。
なお恥ずかしいので購入履歴にはモザイクをかけました。ちなみに直近の購入ソフトは「トトリのアトリエ」です(謎の自己申告)。
クリックすると、このようにタイトルの一覧が表示されます。
Reveal your Steam key をクリックすればキーの有効化に進むことができます。
キーを既に持っているなどの場合は、Gift to a friendをクリックして、他の人にキーを送ることもできます。
Steam アカウントがリンクしてあれば、Redeem ボタンを押せば、Steam のキー有効化画面に遷移します。
キーの有効化(アクティベーション)
さて! いよいよ Humble Bundle でゲットしたお買い得キーを有効化できるところまでたどり着きました。あとちょっとです。
利用規約に同意し、「Steam 利用規約の契約条項に同意します。」のチェックボックスにチェックを入れて、続けるをクリックします。
「有効化完了!」と表示されたら、有効化完了です!
おめでとう! おめでとう!(囲んで拍手)
あとは Steam で購入したゲームと同様にダウンロードして楽しむことができます。
自社ホスティング(DRM フリー)の場合
DRM フリー版も提供される場合は、上の図のようなセクションが表示され、Steam 等を介さずダウンロードできます。
特に再ダウンロードに期間制限はないようで、ゲームがアップデートされればいつでも最新版をダウンロードできます。
Books Bundle の場合
Books Bundle の場合は以上のような画面になります。
PDF・EPUB・MOBI からお好きな形式を選べます。もちろん、全部ダウンロードしても構いません。通常は EPUB を選択するのがおすすめです。なお、MOBI はないことも多く、雑誌や写真集などでは、PDF しかないこともあります。
Bittorrent を通じたダウンロードに対応していることも多く、こちらの方が速いことが多いです。なお、コンテンツ本体同様、シードファイルの保管にも気をつけましょう。
ファイル形式を選んで「BULK DOWNLOAD」ボタンを押せば一括ダウンロードすることもできますが、ダウンロードリンクを自動で開くだけ(クリックするの同じ)であるため、あらかじめダウンロードの開始時に確認ダイアログが表示されない設定にしておきましょう。
Software Bundle の場合
あまり利用したことがありませんが、大部分は上記の自社ホスティング(DRM フリー)と同じで、シリアルキーの入力が必要になる以外は同じかと思われます。
Humble Store でコンテンツを買うには
料金体系
先述のとおり、Humble Bundle では扱っているキーはほぼ日本でも有効化できるものであるため、単品ソフトを買うショップとしても非常に優秀です。
こんな感じのページが単品のゲームや DLC です。
勝手に和訳してみたらこんな感じ。
特徴的なのは "BACK"=ポイント還元であり、最大10%程度分のポイントが付与されます。付与されたポイントは、次回以降の買い物で利用できます。
けっこう大きな割引ですが、商品一覧ページではポイントの有無・額は表示されず開いてみてのお楽しみとなっており、クリックさせて大きなスクショを見せて衝動買いさせる狡猾な罠となっています。
その他の重要な情報
DRM (Steam, Epic...)
バンドルと同様に、アイコンでわかりやすく表示されています。
リージョンロック(おま国)
Humble Store では、リージョンロックを意識する必要はありません。日本では有効化できないタイトルもごく一部ありますが、販売ページ自体が日本では表示されないようになっています。買えるキーは使えるキーです。
万が一リージョンロック対象のキーが送られてきた場合にも、サポートに連絡すれば対応してもらえるようです。
対応言語・システム要件
色こそ違いますが、バンドルの場合と同様です。
Humble Store で購入したコンテンツを利用するには
バンドルの場合と同じですので、「Humble Bundle で購入したバンドルコンテンツを利用するには」をご覧ください。
まとめ:Humble Bundle の利用は安全で簡単!
どんなに英語アレルギー・PC アレルギーな人にも絶対に伝わるようにやたらと詳しく解説したらなにやら長大な記事になってしまいましたが、一度やってみれば、次からは10秒で終わります。
Humble Bundle の利用はあなたの PC ゲームライフに豊かな彩りを添えてくれることでしょう。
このやたらと長い記事が、あなたが PC ゲームの魅力を知るきっかけとなることを願ってやみません。